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コラム

Mr.NOの「いまどき社員の育て方・育ち方」

人事担当者として20年のキャリアを持つMr.Noによる
採用・社員研修の事情についての辛口トーク。

<第01回>「悪ガキは何故消えた?」

ここ30年間、企業の研修のスタイルは大きく変化してきました。昭和末期は講師は竹刀を持ち、受講生は新聞紙を丸めて、「私は出来る、私はやる」というようなアフォアメーションタイプがかなりの幅を利かせていました。現在では、「富士山の地獄の特訓」を除けば、ほぼ皆無でしょう。それは、邱永漢曰くの、「飽食の時代に育った人には、それなりの育て方がある」ということでしょう。

現実、採用を担当する方は実感があると思いますが、悪ガキタイプは年々影をひそめてきました。そのかわり、物分かりのよさそうな(現実は全然分かっていない)イエスマンタイプが主流です。ですから、毒にも薬にもならないエントリーシートや履歴書ばかりです。超安定企業ならこのタイプのイエスマンで十分でしょうが、昨今の経済状況のなか、競争の原理が働く民間企業においては、あまり価値もありません。ゆえに契約社員や、派遣社員が多くなってきたのです。けっして派遣法などのせいだけとは限らないのです。雇用責任を果たしたくなるような、有能かつ個性的な社員が少なくなったということでしょう。
全くもって「没個性の時代」としか言いようがありません。

原因は多々考えられますが、一言でいえば「色」の欠如といえるかもしれません。たとえば、メールは、「声色」を伝えません。もちろん「顔色」もわかりません。字体も同じパソコン文字ですから、字体による「色気」はありません。色気の無いコミュニケーションスタイルが中心になりつつありますから、その対人能力が低下するのも必然です。ただし、注意しなければいけないのは子供はいつの時代も「時代を映す鏡」で、その子供を生みだしたは、とりもなおさず、我々親と教師と取り巻く社会環境なのです。

それでも我々は、次世代を育てていかなければならない使命があります。20年間、今どきの若者向けの研修を試行錯誤しながら実施してきました。
次回から、そのポイントを判りやすく解説します。
少しでも皆様のお役にたてれば幸いです。

プロフィールMr.NO

  • S34年 宮城県生まれ
  • S58年 大学卒業後 7年間の住宅営業を経て、研修・採用担当として20年間実務にたずさわる
  • 自他ともに認める いのしし年、B型、さそり座の典型人間?