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コラム

Dr.セイの健康管理術

産業医・労働衛生コンサルタントの清治邦章が、職場の健康管理・メンタルヘルスについてお話します。
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<第06回>ストレスに強い職場を作る4つの方法

皆様あけましておめでとうございます。仙台は寒気は強かったのですが大きな事件・事故もなく比較的穏やかな新年だったように思います。
昨年はリーマンショックの影響で、景気悪化→企業業績悪化→失業率上昇・就職難という一年でした。当然、人々のストレスは増大し、私への相談も増えました。自分としては忙しいのはありがたいことですが、うつ病などのメンタルヘルスの疾患は少ないに越したことはありません。今年はそうなってほしいと願っています。

とは言っても不景気などの社会情勢はすぐには好転しそうにありません。しかしこれまでもお伝えしてきた通り、ストレスを軽減する為に職場でできることはあります。第06回の今回はまとめとして、「ストレスに強い職場を作る4つの方法」を紹介します。

1.整理整頓をする。

年末の大掃除はいい機会になります。オフィスの中、デスクの周りは当然のこと、休憩スペース・喫煙室・冷蔵庫の中・トイレ・社用車の中などの直接仕事に関係ない場所の整理整頓もしっかり行いましょう。

2.あいさつをする。

あいさつはコミュニケーションの基本中の基本です。出勤時には「おはようございます」、お客様には知らない人でも「こんにちは」、外に出る際には互いに「いってきます」「いってらっしゃい」、帰ってきたら「ただいま」「お帰りなさい」、仕事が終わり帰る際には「お疲れ様でした」など、互いにしっかりあいさつできる職場にしましょう。

3.週1回、ミーティング(連絡会)を行う。

営業職やSEなど、単独で仕事をすることが多い職場でも定期的にミーティングなどのオフィシャルなコミュニケーションの場を設定します。管理職の方も参加して1週間の予定の確認・社員への要望などを社員に伝えます。それから毎回会社の理念・方針、社長の思いをしつこく社員に伝えます。社員それぞれからは会社への要望を挙げます。参加者は6~8人の単位だとちょうどいいと思います。多くても20人以下にしましょう。そして職場内の全員が週に1回はミーティングに参加するようにして下さい。

4.体を動かすレクリエーションを計画して行う。

ボウリング大会や卓球大会・野球大会など、以前は多くの職場で行われていましたが、最近はあまり行われなくなりました。しかしこのような取り組みは社員間のコミュニケーションを図る上でも、ストレス解消の面でもとても有効です。是非、年1~2回は全員参加で行ってください。


いかがでしょうか。皆さんの職場ではできてますか?
いずれも合理化・効率化・経費節減・個人主義などの大義の中で忘れられてきたような、どうでもいいようなことかもしれませんが、メンタルヘルス対策ではとても重要なことです。こういうことが軽視されてきたからこそ、メンタルヘルスの問題が大きくなってきたとも言えます。すぐにできることもあるかと思います。是非実行して下さい。

あ!ひとつ忘れていました。

5.年1回、産業医による「メンタルヘルス対策セミナー」
を管理職向け・全社員向けに行う。これ、とても重要です。(笑)

今年も宜しくお願いいたします。



プロフィールDr.セイ : 清治 邦章(セイジ クニアキ)

  • 37歳、医師、労働衛生コンサルタント。仙台市生まれ。
  • 1999年 3月産業医科大学医学部卒業、医師免許、産業医資格取得。
  • 産業医科大学循環器科、九州労災病院循環器科での勤務を経て、JR仙台病院健康管理センターに勤務後独立、訪問医、産業保健推進センター相談員としても活躍中。
  • 趣味はマジック(プロ級)とバスケットボール。

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